低反発マットレスの人気は絶大です。その中で腰痛に効果がる、良くなったという話も見られます。では低反発マットレスが身体に与える影響はどういったものか、確認していきましょう。
低反発マットレスの効果ってほんと?

低反発マットレスは、メディアで盛んに取り上げられているので、寝心地がいいマットレスだという認識が広まっています。
腰痛にも効果がある(?)と宣伝している商品もありますが、実際どうなのか、そのメリット、デメリットを挙げて検証してみましょう。
まず、低反発マットレスの最大のメリットは、寝心地の良さにあります。
反発力の弱い素材でできているので、体重をかけるとゆっくり沈み、優しく押し返すように体を支えます。
包み込むように全身にフィットして、体全体を面で支えるので、無理のない姿勢で眠れます。
これが低反発マットレスが寝心地が良いという理由です。
腰痛には逆効果になることも

しかし、デメリットも存在します。
寝返りがしにくいデメリット
「多すぎる寝返りは安眠の妨害になりますが、ほどよく沈む低反発マットレスは寝返りの回数を抑えてくれるので、しっかり熟睡できる」というのはよくある宣伝です。
しかしこれは間違いです。
人間は寝ると20~30回は自然と寝返りをするものです。寝返りには次のような意味と効果があります。
寝返りの効果
- 身体の圧力を分散し、血行がよくなる
寝た時に一箇所に圧がかかるので寝返りをすることで圧の分散になるという事です。 - 熱やジメジメ感を逃がす
寝返りしないとその部分が熱くなったりムレますので、それを回避しています - 筋肉の疲れを癒やす
筋肉の緊張やこわばりをほぐす役割があります - 背骨の歪みを元に戻す
固まって寝ていると背骨が曲がったままに固定されるので寝返りで元に戻しています
低反発マットレスで寝返りがしにくいということは身体に悪い、という事がお分かり頂けると思います。
こういった結果として腰への負担が高まる可能性があります。
腰が沈み、体圧が集中、結果的に腰痛に
低反発で柔らかすぎると、体の中で一番重量のある腰部が沈み込みすぎることになります。
腰だけが沈むということは、そこに体圧が集中することになるのです。
また、体をしっかりホールドするということは、腰に体圧がかかったまま固定されることになり、腰に負担のかかる姿勢のまま眠り続けることになります。これでは腰痛対策としては逆効果です。
結論としては、低反発マットレスは、寝心地が良いので熟睡したい人には向いていますが、腰痛改善の効果は乏しい、というより、腰痛を悪化させる可能性があります。
腰痛の方は、疲労回復のための短時間の睡眠に限った方が無難です。
夏場は汗かきとムレの不快感も
低反発マットレスで沈み込み身体へのフィットが高まる=体を面で支えるということは、密着する面積が大きくなり、それだけ通気性が悪くなります。
通気性が悪いと、汗をかいて寝苦しいだけでなく、カビなどが発生して衛生的にも良くありません。
なぜ低反発マットレスが支持されているのか
ここまで見ていくと低反発マットレスはデメリットが強調されるように感じるでしょう。
しかし市場では低反発マットレスは売れています。
そして寝心地が良いことから低反発マットレスの口コミも広がっています。中には腰痛が改善して軽くなったという人もいるのは事実です。
なぜ売れてるのか、現時点ではわかりません。
けど、腰痛改善が出来なかったという口コミも広がりつつあるので、今後支持層が変わってくるかもしれないですね。腰痛対策に効果が期待できるのは高反発マットレスの方に部があります。高反発マットレスが腰痛にいい理由も参考にしてください。
まとめ
以上をまとめると次のようになります。
低反発マットレスは
- フィット感があり寝心地がよいのがメリット
- 通気性があまりよくない。身体が沈むことで汗やムレになる。
- 寝返りがしにくく、無意識に行う寝る姿勢が抑制される
- 身体が沈み込みやすいので、腰に圧がかかりやすく腰痛には向かない
- だけど腰痛が軽くなったという人もいる
必ずしも全ての年齢の人に当てはまるわけではありませんが、結論として腰痛の方には低反発マットレスよりも高反発マットレスのほうが無難だと思います。